ヨーウィー
[アボリジニ神話][未確認動物(UMA)]
Yowie(ヨーウィー)
ヨーウィーという怪物は二種類。ひとつはイエティのような獣人型UMA。もうひとつはトカゲの身体に昆虫の脚をはやしたような怪物。後者のヨーウィーは家畜などを襲う恐ろしい怪物である。
■ 昆虫の脚をはやしたトカゲの怪物?
ヨーウィーといえば、通常は獣人型UMAのことを指すようである。イエティやビッグフットのような怪物で、しばしばオーストラリアの南東部に出没していて、多数の目撃情報が寄せられている。けれども、これとは異なるヨーウィーも言及されている。それによれば、このもうひとつのヨーウィーは犬くらいの大きさをしたトカゲのような怪物で、胴体には爬虫類特有の鱗があり、ヘビのような尻尾がはえている。特徴的なのはその脚で、身体からは昆虫の脚のようなものが六本はえている。非常にグロテスクな姿をした怪物である。このヨーウィーは基本的に夜行性らしく、昼間の間は巣穴にいて、主に夜間に活動し始め、昆虫のような脚でガサゴソと不気味な音を立てて動き回る。そして家畜を襲うのである。その見た目とは異なり、意外と俊敏なようで、猟銃を持って対抗しても、すぐに逃げ出してしまうという。この不気味な怪物ヨーウィーについては、オーストラリアの作家マイケル・ページが言及していて、ロバート・イングペンがカラー絵を附している。彼の描くヨーウィーのカラー絵は見事である。機会があったら、是非、見てもらいたい。
この怪物ヨーウィーにそっくりの動物が『秘密の動物誌』に言及されている。それはソレノグリファ・ポリポディーダ(Solenoglypha Polipodida)というもので、これはインドの南端、タミル・ナドゥ州に棲息しているのだという。水木しげるもソレノグリファ・ポリポディーダについて言及していて、彼が描くこの怪物の絵はヨーウィーのイメージにそっくりである。これはトカゲではなくヘビのような爬虫類の身体を持っていて、そこに鳥の脚が12個ついている。何とも不気味な怪物である。
■ オーストラリアのイエティ!
イエティのような獣人型UMAのヨーウィーについてはまた手のあいたときに加筆修正したい。
《参考文献》
- 『水木しげるオフィシャルBOX 世界妖怪遺産』(講談社,2002年)
- 『図説 モンスターランド ~知られざるモンスターの生態~』(著:草野巧,新紀元社,2001年)
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
- 『想像と幻想の不思議な世界―エンサイクロペディア・ファンタジア』(著:マイケル・ページ,絵:ロバート・イングペン,教育社,1989年)
- 『秘密の動物誌』(著:ジョアン フォンクベルタ/ペレ フォルミゲーラ,訳:管啓次郎,筑摩書房,1991年)