ガーナー森(ガーナームイ)

[沖縄の妖怪]
 gana-mui(ガーナー・ムイ) 《たんこぶ森》 【沖縄語】
  gana(ガーナー)《たんこぶ》+mui(ムイ)《森》

沖縄県の那覇市にある伝説の森。かつては意志を持って動き回った。人を喰ったり、畑を荒らしたりと悪さをしたため、土地の神さまに封じられてしまった。

意志を持って動き回る人喰い森

ガーナー森は沖縄県那覇市に伝わる伝説の森である。現在は那覇空港から那覇大橋に向かう橋の手前右手側、漫湖のほとりにある小高い森だが、昔は漫湖に浮かぶ小島で、意志を持って動き回る化け物だったという。真玉橋へ行っては人を襲って喰らい、陸に上がっては畑を荒らしたりと、かなりやりたい放題で大暴れした。近隣の村人たちは困り果て、ついに土地の神さまにガーナー森を退治してくれるように祈った。土地の神さまはこの願いを聞き入れて、ガーナー森のシッポに大きな岩を置いて動きを封じた。こうして動けなくなったガーナー森はそのままそこで力尽きたという。村人たちはふたたびガーナー森が暴れだして動かないようにと、魔除けのシーサーをつくって森のそばに安置したという。

沖縄語のgana(ガーナー)は《たんこぶ》を意味しているが、《鵞鳥》の意味もあって「鵞鳥森」という表記もしばしば見かける。けれど、おそらくは外観から《たんこぶ》が連想されて命名されたものと思われる。現在、この森は那覇市の天然記念物に指定されていて、観光名所の1つとなっている。

《参考文献》