シーサー
[沖縄の伝承]
shīsā(シーサー)《獅子》【沖縄語】
狛犬の沖縄ヴァージョン。ライオンに似た魔除けの焼き物を屋根などに置いた。
■ 魔除けの獅子の焼き物
シーサーは魔除けの働きをする怪物その怪物の姿をかたどった焼き物などが家の屋根などに置かれている。シーサーは獅子という言葉に由来する沖縄語で、もともとはライオンの姿だったようだ。狛犬の沖縄ヴァージョンといった感じだろう。
狛犬は高麗の犬という意味で、もともとは獅子だった。ライオンを聖獣とした古代エジプトにまでその起源は遡ることができるという。それがインドに伝わり、仏教やヒンドゥー教とともに東南アジア、中央アジアから中国に広まり、中国では唐獅子になった。それが遣唐使によって日本に伝わり、朝鮮からは狛犬として日本に伝わった。
沖縄では死者の霊魂が火の玉になったものをフィーダマ(火玉)と呼ぶ。このフィーダマの中には鳥の姿なるものもいて、これは火災を起こすやっかいなものだった。台所の裏の火消し壷に棲みつくといわれていて、シーサーにはこのフィーダマを追い払う力があると信じられていた。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
- 『Truth In Fantasy 9 幻想世界の住人たちⅣ <日本編>』(著:多田克己,新紀元社,1990年)