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鳳凰(フォンホァン)

[中国の妖怪]
 鳳凰(凤凰)〔fèng-huáng〕(フォン・ホァン)【中国語】

中国の四霊のひとつ。地上にて南方を守護している。五采(五色)の羽を持つ美しい鳥。鳥の王さまのような存在。天下太平の象徴で、鳳凰が現れると世界は平和になると信じられた。朱雀と同一視されることもあり、転じて火の鳥とされる。

鳥たちの王さま

鳳凰(ファンホァン)は五采(五色)の羽を持つ美しい鳥で、日本では鳳凰(ホウオウ)として知られる。『爾雅』(中国最古の類語辞典)には、頭が鶏、顎は燕、首は蛇、背中は亀、尾は魚に似るなどとある。体高は六尺(およそ1.5メートル)。雄が鳳(ファン)、雌が凰(ホァン)という。さらに『神捜記』によれば、鳳凰の身体には五つの文字が書いてあるとされ、首には「徳」、翼には「順」、背中には「義」、腹には「信」、胸には「仁」と書いてあるという。梧桐(アオギリ)という樹木に棲み、竹の実を食べて、醴泉(老を養う美泉)を飲むという。鳴き声に関しても言及されていて、楽器の簫(しょう)の音に似ているとされ、音階に従った美しいもので、鳳は「即即(チーチー)」と、凰は「足足(ズーズー)」と鳴き、雄と雌で「鏘鏘(チァンチァン)」と合唱するという。鳳凰は鳥の王さまのような存在で、鳳凰が空を飛ぶとたくさんの鳥が後にくっついて飛び、鳳凰が死ぬとたくさんの鳥が嘆き悲しむという(つまり、鳳凰は死ぬということになる!)。

地上で南を守護する四霊

かつての中国には「天円地方」と呼ばれる宇宙観があったという。すなわち、天は丸くて、地は方形、つまり四角いというものだ。丸い天は二十八の星宿に分割されていて、地は東西南北の四隅を持っていた。東西南北の彼方には霊の棲む他界があって、そこから霊が侵入し、災厄をもたらす。そこで、東西南北の四隅を守護する存在が必要になる。地上では四霊(四靈、スーリン)が守護していて、天の星宿では四神(スーシェン)が守護していると考えられたわけだ。四霊と四神はしばしば同一視されるが、四霊が龍、麒麟、鳳凰、亀で、四神が青龍、白虎、朱雀、玄武。前者は姿があって、実際、人々の前に出現し、目撃されることがあるが、後者はどちらかといえば観念的なものなので、神話的なエピソードを持たない。

四霊のひとつとして、鳳凰は地上で南方を守護している。同じ方角を天では四神の朱雀が守っていて、鳳凰と朱雀はしばしば同一視される。朱雀は五行説において「火」に該当するため、しばしば「火の鳥」として表現される。同様に鳳凰も「火の鳥」とされることがあり「火」という類似点からエジプトのフェニックス(ポイニクス)と比較されることもある。けれども、フェニックスと鳳凰には特に直接的な接点はない。

天下太平の象徴、鳳凰

鳳凰は天下太平のときにしか出現しないありがたい鳥である。鳳凰が飛ぶと雷は鳴らず、風雨は起きず、河川は溢れず、草木は揺れないという。中国の伝説の皇帝の舜(五帝のひとり)は善政を敷いたとされ、その治世は鳳凰が飛んでくるほどだと言われたという。『神捜記』によれば南方にある丹穴山に棲んでいるとされ、この鳥が現れると天下は平和になると説明されている。また、西方にある南禺山や崑崙にも棲んでいるようだ。鳳凰の仲間には鸞鳥(ルアンニアオ)というのがいて、この鳥も五采の模様を持っている。鸞鳥が現れても、同様に平和が訪れるという。西方には沃民という国があって、そこでは鳳凰や鸞鳥が舞い歌う野原があるという。そこにはさまざまな獣たちが集まり、沃民は鳳凰の卵を食べて甘露を飲んで自由気儘に暮らしているという。まさに楽土のようなイメージなのだろう。

日本での鳳凰

日本でも鳳凰は平和をもたらす重要な鳥とされた。宇治の平等院鳳凰堂、京都の鹿苑寺金閣(通称、金閣寺のこと)の屋根には鳳凰の意匠が用いられている。また1万円札にも鳳凰が描かれている。

《参考文献》