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エインヘリャル

[北欧神話]
 Einherjar(エインヘリャル)《一人で戦うもの》【古ノルド語】

北欧神話。戦場で死んだ英雄たちの魂は死後、ヴァルキュリャたちの手によってヴァルホルというオージンの神殿に運ばれ、エインヘリャルとなって歓待される。ラグナロクの際に神々と一緒に巨人族と戦うべく、日々、互いに殺し合いをして腕を鍛え、朝食の頃には復活してオージンと宴を楽しむ。

世界の終末まで殺し合いを続ける英雄たちの魂!

エインヘリャルは北欧神話に登場する英雄たちの魂のことである。戦死した英雄たちの魂は、死後、オージンの従女であるヴァルキュリャによってヴァルホルというオージンの館に運ばれ、そこで歓待される。エインヘリャルたちは世界の終末(ラグナロク)の際には、神々とともに立ち上がり、巨人族と戦うことになる。そのときまで、ヴァルホルで新たな命を楽しむのである。夜明け頃、エインヘリャルたちは互いに血みどろな殺し合いを始める。そして朝食の時間になると、死んだものは復活し、怪我したものも傷が治り、みんなでヴァルホルでオージンとともに宴を楽しむ。そして、また夜明けになると殺し合いを始める。こうして、毎日毎日、エインヘリャルたちは果てしない戦いの日々を送りながら自らの身体を鍛えて、ラグナロクに臨むのである。

オージンは巨人たちに対抗するために、強い戦士を欲しているので、有望な戦士を発見すると大切に育てる。そして立派な英雄になったときには、槍で英雄を一突きにした。そして戦場を駆け巡るヴァルキュリャたちによって、英雄たちはヴァルホルへと導かれるのである。あるいはヴァルキュリャたちが目ぼしい英雄たちを槍で刺したともいわれる。

エインヘリャルたちが運ばれるValhǫl(ヴァルホル)とは《戦死者の館》を意味している。ドイツ語のWalhalla(ヴァルハラ)という表記の方がよく知られている表記かもしれない。神々の世界であるアースガルズの最も高いところにグラズスヘイム(歓喜の国)というオージンの統治する国があり、ヴァルホルはそこに建っている。黄金の楯を瓦にしている銀の館らしく、まばゆく光り輝いているという。その館の屋根の上にはヘイズルーンという雌の山羊がいて、蜜酒の乳を流す。また、館の中にはセーフリームニルという雄豚がいて、これは何度料理されても夕方には復活するという。このヘイズルーンの蜜酒とセーフリームニルの肉とがエインヘリャルたちの舌を楽しませるのである。宴の席では、ヴァルキュリャたちが踊ったり歌ったりしてエインヘリャルたちを歓待した。

北欧では、死者たちは死後、さまざまな場所に運ばれた。罪のない人間は死後、フレイの統治するギムレーに運ばれ、病気や老衰で死んだ人間はヘルが統治する氷の世界ニヴルヘイムに行くと信じられていた。また、溺死した人間は海の巨人エーギルの館に行く。オージンの館に集い、神々と一緒に戦うエインヘリャルになれるのは、戦死した英雄たちだけであったため、古代北欧の貴族や英雄たちは、戦場で死ぬことを願ったのかもしれない。病気や老衰で死ぬ英雄たちの中には、家人に槍で突き刺してもらって死ぬことを選んだ者もいたという。

《参考文献》