クジャタ

[アラビア伝承][イスラーム]
 كيوثاء〔Kuyūthāʼ〕【アラビア語】
 Kujata(クジャタ)【英語】

世界を支える巨大な雄ウシの怪物

クジャタはアラビア伝承に登場する巨大な雄ウシのような怪物。頭には四〇〇〇の目と耳、鼻、口を持ち、身体からは四〇〇〇の脚がはえているという。一つの目からもう一つの目までの歩いていくと五〇〇年はかかるというから、これは非常に巨大な怪物である。中世イスラームの世界観によれば、クジャタの背中からは光り輝くルビーの岩山がはえているという。このルビーの岩山の上には天使が乗っており、その天使が我々の暮らしている大地を肩で支えているというのである。けれどもクジャタがこの世の最深部というわけではない。クジャタはバハムートという巨大な魚に乗っかっており、この魚は大洋に支えられている。その下には深海が広がり、その下には火の海があり、その下にはファラクという大蛇が口を開いているのである。

クジャタはファイナルファンタジーシリーズにも登場し、ファイナルファンタジーⅦでは召喚獣として召喚することができた。背中に赤いルビーの山がはえているところが何とも愛おしい。

《参考文献》

  • 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
  • 『シリーズ・ファンタジー百科 世界の怪物・神獣事典』(著:キャロル・ローズ,監:松村一男,原書房,2004年〔2000年〕)
  • 『図説 幻獣辞典』(著:幻獣ドットコム,イラスト:Tomoe,幻冬舎コミックス,2008年)