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飛殭(フェイチャン)

[中国の妖怪]
 飛殭(飞殭)〔fēi-jiāng〕(フェイ・チャン) 【中国語】

長い年月を経て特別な神通力を手に入れた殭屍(キョンシー)。空を飛ぶ。太陽光に弱いなど、基本的な弱点は殭屍と変わらない。

殭屍、神通力を得て空を飛ぶ!

キョンシーといえば日本でも映画『霊幻道士』や『幽幻道士』などで非常に有名になった。キョンシーというのは広東語の表記で、中国語では殭屍(殭尸)〔jiāng-shī〕(チャンシー)と発音される。殭屍は動く死体といった感じだが、この殭屍の誕生には非常に長い年月がかかる。中国では地中に埋葬された死体が1000年経っても腐ることなく変化しないことがあると考えられた。これは伏屍(伏尸)〔fú-shī〕という。やがてこの伏屍が大地から精気を吸って動くようになる。これが遊屍(游尸)〔yóu-shī〕というやつで、まさにこれが殭屍のことだ。この遊屍がさらに年月を経て特別な神通力を得るようになると、遂には空を飛ぶようになるのだという。それが飛殭(飞殭)だ。まさに飛殭は空飛ぶキョンシーなのである。

飛殭は殭屍よりも強い神通力を持つため、通常の人間の力ではなかなか太刀打ちできない。けれども太陽光に弱いという点は殭屍と一緒なので、ヴァンパイア退治などと同様に朝の光を待てば退治できる。殭屍の身体は火で焼けば倒すことができるし、雷に撃たれても死ぬし、火縄銃も有効だという。

飛殭退治だ!

河北省安州のある村は、近くの山中より飛来した飛殭によってひどい被害を受けていた。空を飛び、子供をさらっては喰らう。戸を閉めて子供を隠しても飛殭は子供をさらっていってしまう。村人たちは飛殭の棲んでいる洞窟を突き止めたものの打つ手がない。そこで道士を呼んできて退治を依頼することにした。道士の指示のもと、飛殭退治が始まった。まず道士が術で飛殭を飛べないようにした。続いて村人たちは武器を手に飛殭と戦った。殭屍は鈴の音を恐れるというので、村人の一人が鈴を持って飛殭の棲み家である洞窟に入って鈴を鳴らし続けた。飛殭は非常に怪力で村人たちは歯が立たなかったが、夜が明け、その光に照らされると飛殭は倒れた。そこで村人たちは飛殭を火で焼いて退治した。

《参考文献》