ボナコン

[博物学]
 Bonnacon(ボナコン)【ラテン語】
 Bonaconn(ボナコン)、Bonasus(ボナスス)、Bonachus(ボナチュス)

触れたら焼け焦げるボナコンの糞

ボナコンはプリニウスの『博物誌』に紹介されている怪物。バルカン半島やアジアの砂漠地帯や低木地帯に棲息している。姿は野生のウシに似ており、ウマのようなたてがみをはやし、渦巻き状の角を持っている。後代の文献では、たてがみと角は緑色だと説明されている。大きな角は後方へ曲がっているため、戦闘の役には立たないらしいが、その代わりとして、ボナコンは外敵が現われると糞を撒き散らして身を守るという。その糞は六〇〇メートルも飛び散るといい、臭いだけでなく非常に熱いといわれていて、触れたものは焼け焦げてしまうという。

これはおそらく後代の伝承だと考えられるが、ボナコンは怪物レヴィアタンと交わってタラスクというドラゴンをうんだとされている。このフランスのドラゴンも糞による攻撃を得意としているため、おそらく関連づけられ、結びつけられたのだろう。

《参考文献》

  • 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
  • 『シリーズ・ファンタジー百科 世界の怪物・神獣事典』(著:キャロル・ローズ,監:松村一男,原書房,2004年〔2000年〕)
  • 『図説 幻獣辞典』(著:幻獣ドットコム,イラスト:Tomoe,幻冬舎コミックス,2008年)