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バーバ・ヤガー

[ロシアの妖精]
 Баба-Яга(バーバ・ヤガー)【ロシア語】
〔日本では「バーバ・ヤーガ」という表記で浸透しているが、ロシア語圏の発音では「バーバ・ヤガー」〕

ロシアの妖婆。森の中の一軒家に棲む。人間、特に子供を喰らう。すり鉢に乗り、すりこぎで漕いで地面すれすれのところをふわふわと飛んで移動する。バーバ・ヤガーの一軒家は鶏の脚のような柱の上に建てられていて、ドクロで飾られているという。

ロシアの森の妖婆、すり鉢、すりこぎで移動!

バーバ・ヤガーはロシアや東欧の森に棲む女の妖怪だ。痩せて、骨と皮だけの老婆の姿をしていて人間、特に子供を好んで喰らう。石の歯を持っているとも言う。いわゆる妖婆(ハッグ)で、日本でいうところの山姥のような存在と言える。森の一軒家に暮らしていて、庭も壁も、そして室内も人間のドクロで飾られているという。普段はその一軒家で寝そべって暮らしている。

キャロル・ローズはバーバ・ヤガーを巨大な老婆と説明していて、横になると頭が小屋の片端に届き、足がもう片端に届き、青い鉤鼻は天井に届くという。

面白いのはその移動手段だ。バーバ・ヤガーは、移動するときに細長いすり鉢(臼)に乗る。そして右手で持ったすりこぎ(杵)で漕いで移動するのだ。そうするとすり鉢(臼)は地面のすぐ上の辺りに浮かんでふらふらと飛ぶという。けれども、底の部分を引きずるように移動してしまう。そこでバーバ・ヤガーは左手に持った箒で移動した痕跡を消していくのだ。あるいは鍋に乗っかって、火のついた箒で掃きながら飛ぶという話もある。

バーバ・ヤガーの小屋

バーバ・ヤガーの一軒家は雌鳥の脚の上に乗っているらしい。そして休みなく回り続けるという。ロシアの作曲家ムソルグスキーもこれについて言及している。ピアノ組曲「展覧会の絵」の中に「バーバ・ヤガーの小屋」という楽曲がある。これは原題では「Избушка на курьих ножках (Баба-Яга)」という。訳せば「鶏の脚の上に建つ小屋(バーバ・ヤガー)」といった感じだろう。鶏の脚のような形をした木の柱の上に小屋が立っているのを想像してもらえばいい。

このムソルグスキーの楽曲が「バーバ・ヤーガの小屋」として日本で紹介されたので「バーバ・ヤーガ」という表記が定着したのだろう。けれども、ロシア語圏の発音の長音は「バーバ・ヤガー」であり「バーバ・ヤーガ」とは発音されない。

《参考文献》