アータル

[ゾロアスター教]
 𐬁𐬙𐬀𐬭〔ātar〕(アータル)【アヴェスター語】1)

ゾロアスター教の火の精霊。アフラ・マズダの息子。善のために悪竜アジ・ダハーカと戦い、山に鎖で繋ぐ。

拝火教の火の精霊!!

アータルはゾロアスター教の火の精霊である。アフラ・マズダの息子とされるが、この最高神に名前がつけられるはるか以前から崇拝されていたという。ゾロアスター教は拝火教とも呼ばれるように、非常に火を崇高なものと考える。そのため、火の精霊であるアータルは並みいる精霊たちの中でも特に力が強く、善なるものと考えられた。世界を邪悪から守る存在として、勇敢な戦士として描かれていて、善のために悪竜アジ・ダハーカと激しい戦いを繰り広げた。アジ・ダハーカは火の存在を消そうとしたが、最終的にはアータルによって捕らえられ、山に鎖でつながれたという。稲妻とも同一視されたようで、雨を降らせないことで干ばつを起こそうとした悪魔を退治したという伝承も残されているようだ。

1) アヴェスター語は現段階ではUnicode未対応。そのため文字化けしている。将来的には対応するだろう。アヴェスター語のUnicodeについてはhttp://std.dkuug.dk/jtc1/sc2/wg2/docs/n3197.pdf(PDF文書)を参照のこと。スペルなどはKanga's Avesta-Gujarati-English Dictionary(JPG画像)により確認した。

《参考文献》